ハチミツは腐らない！？古代エジプトの墓で見つかった蜂蜜について

蜂蜜は、その甘さと風味だけでなく、その驚異的な保存性でも知られています。何千年も腐らない食品として、古代から現代に至るまで人々に愛されてきました。本記事では、蜂蜜が腐らない理由と古代エジプトの墓で発見された蜂蜜について詳しく探っていきます。

蜂蜜が腐らない理由

蜂蜜が腐らないのは、いくつかの科学的な要因によります。

低水分活性

• 蜂蜜の水分含量は非常に低く、約17%程度です。この低水分環境では、微生物が繁殖しにくく、腐敗が起こりにくいのです。

高糖度

• 蜂蜜は約80%の糖分を含んでおり、糖分が高い環境では細菌やカビの成長が抑制されます。糖分は微生物の細胞から水分を引き出す性質を持ち、これが微生物の生存を困難にします。

酸性度

• 蜂蜜はpHが3.2から4.5の間であり、酸性度が高い環境も微生物の繁殖を防ぐ役割を果たします。この酸性環境は、特に食中毒の原因となる病原菌に対して効果的です。

過酸化水素の生成

• 蜂蜜にはグルコースオキシダーゼという酵素が含まれており、水分と接触すると過酸化水素が生成されます。過酸化水素は強力な抗菌作用を持ち、微生物の繁殖を抑えます。

古代エジプトの墓で発見された蜂蜜

蜂蜜の長寿命は歴史的な発見によっても証明されています。特に有名なのが、古代エジプトの墓から発見された蜂蜜です。1922年に考古学者ハワード・カーターがツタンカーメン王の墓を発掘した際、約3000年以上も保存されていた蜂蜜が見つかりました。この蜂蜜は、今でも食べられる状態であったと報告されています。

古代エジプト人は、蜂蜜を食品としてだけでなく、医薬品や防腐剤としても利用していました。蜂蜜はミイラの製造過程でも使用され、死者の身体を腐敗から守るための防腐剤として重宝されていました。また、蜂蜜は神聖な食品とされ、墓に副葬品として供えられ、来世でも栄養を供給するためのものと考えられていました。

結論

蜂蜜が腐らない理由は、その低水分活性、高糖度、酸性度、そして過酸化水素の生成にあります。これらの特性が組み合わさることで、蜂蜜は何千年も保存可能な食品となっています。古代エジプトの墓から発見された蜂蜜は、その驚異的な保存性を証明する一例です。蜂蜜の保存性は、古代から現代に至るまで人々に愛され続ける理由の一つであり、その神秘的な魅力は今もなお多くの人々を引きつけています。